こちらのコーナーでは、インテリアデザイナー田野口淳子に聞いてみたい、部屋づくりに関するお悩みを募集しています。メールかFAXでご応募ください。質問の多かった内容について、順次この場にて回答いたします。

これから少しずつアンティーク家具をそろえていきたいと思っています。
賢い家具の選び方を教えてください。
賃貸住宅などにお住まいで、これからまだ転居の可能性があるかたには、ホールローブという家具をおすすめします。その理由は次の4つ。①ホールローブは半間の壁におさまるくらいのサイズが多く、どのような家でも置きやすい。②中はロッカーのようにがらんとしていますが、棚板を仕込めば整理整頓に役立つ。③木の扉なので中身が隠せ、部屋が片付いてすっきりと素敵になったという実感がわきやすい。④リビングやダイニングで使うだけでなく、子供部屋の収納に、玄関の靴箱に、と転用がきく。以上のことから、住まいが変わってもずっと便利に使い続けられるホールローブがおすすめなのです。逆におすすめしないのはコーナーキャビネット。部屋の隅に置くために背が三角になっている家具です。これからどのような間取りの家に住むかわからないうちは、買わないほうがいいと思います。
持ち家の方には、まず部屋の見せ場となる大きな家具をおすすめいたします。とくに、上部に鏡がついたミラーバックサイドボードは、鏡が部屋を広く見せてくれるうえ、下部にはたっぷり収納もできて部屋が片付くというメリットがあります。大きな家具を買うのは勇気が必要かもしれませんが、小さな家具を買っても部屋が素敵になった実感がわかず、もう1つ、もう1つと買い足していくうちに、部屋に小さな家具がたくさん並んで散漫なイメージになり、お金もたくさん使っていた、ということになるケースが多いのです。
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コマチ家具さんでコーディネートしたお宅はみんな素敵すぎて、
賃貸マンションの私のうちなんて一生ムリだと思ってしまいます。
誰もが最初からできたわけではありません。かく言う私も、結婚後15年間はアパート暮らしでしたから、「アパートだから素敵にならないんだ! こんなおうちに住みたくない!」と思っていました(笑)。それから自分の家を持ち、リフォームし、お客様のお宅をデザインしていくうちに、部屋を素敵にするワザをたくさん蓄積させていただきました。今の私なら当時の私にアドバイスして、アパートでも素敵にする方法を教えることができるでしょう。私はインテリアデザインを仕事にしたので、試行錯誤を繰り返してきました。でも、これはとても労力とお金がかかることなので、お客様には素敵になる近道をお伝えしたいのです。アパート暮らしでも賃貸でも、できることはありますし、「おうちが大好き」と思えるような空間をつくることも可能です。ですから、あきらめないでください。あきらめなければ、時間はかかっても必ず、理想のお部屋に近づけます。