インテリアのプロ、田野口淳子が実践している
お部屋を素敵にするためのコツ

撮影/森安 照

入り口と対角線にある部屋の隅に、コーナーキャビネットを置いた例。ソファやコーヒーテーブルなど、手前にある低い家具の背景になっているのがわかります。(田野口宅)
カーテンが際までついているコーナーには、照明などフレキシブルに移動できるものがおすすめ。サイドチェストの上にテーブルランプを置き、布シェードでボリュームを出して。(A邸)
家具が置けない狭いスペースにはグリーンが効果的。背の高い観葉植物でなくても、鉢植えをプラントスタンドに載せて高さを調節すればOK。(田野口宅)

部屋に入ったとき、最初に目が行くのは部屋のコーナー部分です。このコーナー部分の壁がぽっかりと空いていたり、ボリュームが貧弱だったりすると、部屋全体が不安定に見えてしまいます。
 そこで、私が部屋をコーディネートするときのルールにしているのが、ある程度の高さのあるものを部屋のコーナーに置くことです。高さが1.6m前後のものを、天井の高さやほかの家具とのバランスを考えながら配置します。なぜ、高さやボリュームが必要かというと、部屋の中にあるソファやテーブルなどの家具、そしてその部屋にいる人などの「背景」をつくるためです。インテリアは、これらの重なりが層として美しく見えることが大切なのです。高さがないと、手前のものに隠れて背景になりません。
 コーナーに置くものとして私がよく使うのは、コーナーキャビネットやグリーン、照明です。特に、窓と窓にはさまれたコーナー部分には、背が三角になっているコーナーキャビネットがぴったりです。四角い普通のキャビネットを置くこともできますが、どうしても側面が見えてしまうため、扉の向きに困りますよね。その点、コーナーキャビネットはどこから見てもきれいで、インテリアの見せ場にできます。ただ、この家具はコーナーにしか置けませんので、住まいが変わる可能性のある方は要注意です。
 そんな場合は、観葉植物や照明など、場所を選ばず使いまわしがきくものがおすすめです。高さのないグリーンやテーブルランプなどで代用するときは、スタンドやチェストの上に置いたり、大きめな布のシェードをつけたりして、高さとボリューム感を調節してください。