インテリアコーディネイト実例

File1 神奈川県 M邸

撮影/津布久 智

家族構成/本人
延べ床面積/157.81㎡(47.74坪)
住居形態/木造一戸建て
住居建築年/2005年
コーディネート箇所/すべて
施工/村山建築工房

  • 玄関・廊下
  • アトリエ
  • リビング・ダイニングルール
  • 吹き抜け
  • 寝室・ゲストルール
  • トイレ、洗面・浴室

家具の配置から考えた間取りで家をまるごとコーディネート

 将来は自宅でフラワーアレンジメントのお教室を開きたいと思っていたMさん。2004年に新築することになり、大工であるお兄さまとその知人の設計士に家づくりを依頼しました。Mさんが出した要望は、お教室用のアトリエと暖炉、天気に左右されずに洗濯物を干せるランドリールーム、そして、富士山を望める2階にバスルームをつくること。そんな折、訪ねたご友人の家でイギリスのアンティーク家具を見て、「こんな家具が似合う家にしたいな」と思い立ちました。さっそく教えてもらったコマチ家具へ行くと、やはりマホガニー材のアンティーク家具に一目惚れ。しかし、すでに提案されていた新居のプランは和風の家で、イギリスのアンティーク家具が合う雰囲気ではありませんでした。コマチ家具に相談すると、インテリアから発想するコーディーネートプランを引き受けてもらえることに。間取りや家具の配置、内装や照明計画までをコマチ家具が提案、大工のお兄さまや設計士とも連携して、要望がすべてかなえられた住まいが完成しました。


 

玄関は東入りであることと、将来、お教室を開くために広々としたホールをつくることを希望していました。ホールと居室の出入口を斜めにもうけることで、正面にウェルカムの気持ちをあらわすディスプレイスペースが生まれ、動線もよくなりました。

ガラス入りのドアは、17世紀に宿屋として建てられその後パブになったという、イギリスのマンチェスター郊外にある由緒ある建物に使われていたアンティークドアです。

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忙しい仕事の合間をぬってフラワーアレンジメントの勉強をしてきたMさん。将来はこのアトリエでお教室を開きたいと考えています。また、「人が集まる家にしたかった」というMさんの希望をかなえるため、アトリエを家の中心に置いて吹き抜けにし、階段が見せ場になるようなプランでたくさんの人がつどいやすい間取りにしました。

ダイナミックな吹き抜けのアトリエ。ここを中心に、リビングやダイニングを隣接させています。約5畳の収納庫もそなえているので、いつでも人を呼べる家に。

「家と家具との一体感があるのが魅力です」とMさんがいうように、家具のサイズや配置、照明の位置や見え方までをプランニング段階で計算した提案なので、美しさと生活しやすさを両立できます。

正面奥に見えるのはダイニングルーム。アトリエに隣接するリビングとダイニングにはドアをつけていません。オープンな間取りで人が集まりやすく、「そば打ちの会やチェロ&ギターの演奏会など、しょっちゅう人が集まっています。友人のほうから"行ってもいい?"とよくいわれるんですよ」とMさん。

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リビングとダイニングを隣接させる間取りが一般的ですが、Mさんのお宅はアトリエを中心にこの2つの部屋を振り分けました。ダイニングはキッチンと隣接させ、日常からパーティーのときまで使いやすい動線に。独立したリビングには、念願の暖炉を設けました。

ダイニングはコンパクトな個室に。ふだんの食事も落ち着きます。壁紙はウィリアム・モリスのもの。

アトリエからオープンにつながりながらほどよく仕切られたリビングは、シックな赤い壁紙が印象的。開口枠で切り取られたシーンがまるで洋書の1ページのようです。アトリエから暖炉も見え、人が集まるときはこのリビングでくつろぐ人も。

アンティークのマントルピースを中心に、左右対象にコーディネートされたオーセンティックなインテリア。家具や暖炉の配置を考えて窓の形状や位置もプランニングしているので、美しくまとまっています。

リビングの奥にあるドアは、書斎へとつながるドア。小さな書斎ですが、リビングにパソコンを持ち出すことなく作業ができます。右手のミラーバックサイドボードは、Mさんがコマチ家具で最初に買ったアンティーク。

洋室のインテリアは、シンメトリーを基本構成に。絵を飾る位置も計算に入れて、窓の位置を決めました。「少しずつ家具を揃えても、専属のコーディネーターがいるような感じなので、安心感があります」とMさん。

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「部屋数はいらないので、人が集まる家にしたい」。Mさんの要望を想像以上のものにしたのが、この吹き抜けの存在です。1階のアトリエと2階をつなげながらプライバシーも確保でき、しかもこの家の見せ場となる空間になりました。

「親戚や友人が集まると、その子どもたちが走り回って楽しんでいますよ」とMさん。階段も回廊も、ゆったりした設計にしています。

2階の回廊は、吹き抜けをぐるりと囲むレイアウト。2階の居室への出入口は、動線をよくするために斜めに設けました。「こういうところが、平凡でないというか、工夫のある提案だなと思います」とMさん。日々、暮らしやすさを実感しているそう。

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2階の居室は、寝室とゲストルーム。「壁紙などのセレクトは、プロにお願いしました」とMさん。部屋ごとに壁紙やカーテンも変えました。

セミダブルベッドがゆったりと置けるベッドルーム。ドアの向こうはウォークインクローゼットです。「家具の配置から考えられた設計だったので、暮らしていても狭いとか動きづらいということがありません」とMさん。

フランスのアンティークベッドのヘッドボードが上品。間接照明を用いた、落ち着ける空間です。

ゲストルームのベッドヘッドボードにしているのは、寝室に置いたアンティークベッドのフットボードの部分。寝室に比べて天井高が低いため、ちょうどいいバランスに。

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「お風呂から富士山が見えるようにしたい」というMさんの希望を叶えるべく、2階にバスルームをプランニング。その隣には、洗面所と、こちらも大きな希望の1つだったランドリールームを設けました。「女性らしい細やかな提案でした」とMさんがいうように、デザインだけでなく動きやすさや掃除のしやすさなど、ストレスのない日常生活への工夫の積み重ねが光ります。

1階のトイレは、ゲストや将来のお教室のためにパウダールームの雰囲気で。腰壁をつけ、掃除しやすいように。

2階に設けた洗面所。引き出しがたくさんついて整理しやすい、収納力たっぷりのキャビネットを作りつけました。寝室と同じ階にあるので、身支度もしやすく。

バスタブにつかりながら富士山が見えるように、コーナー窓を設けたバスルーム。御影石を用いた上質な空間です。

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