デザインリフォーム実例10

撮影/森安 照

家族構成夫婦
延床面積77.84㎡(23.55坪)
住居形態マンション
住居購入年2006年
初回リフォーム時築年数築28年
施工長瀬工務店G.C.

 6年ほど前、社宅から分譲マンションに住み替えたYさんご夫婦。南向きで駅から近く、堅牢なつくりであれば「中は変えられる」と、当時築22年でも管理が行き届いていたこのマンションに決めました。マンション購入を機に「きちんとした家具を買おう」と、半年間にわたり百貨店から小さな家具店まで片っ端から見てまわったときに、偶然出会ったのがコマチ家具。「猫脚のようなクラシカルなデザインの家具が好みでしたが、アンティーク家具はヨーロッパのお城で見た、大きくて古くさい家具というイメージで、それまではあまり好きとはいえませんでした。でも、コマチ家具で見たアンティーク家具は小ぶりできれい。これならうちにも置けるし、上質な素材や仕上げのアンティーク家具はまさに本物。それまで見ていたクラシカルデザインの現代ものの家具は、アンティーク家具を真似たものなんだな、それなら本物のほうが断然いい!と思いました」とYさん。それ以来、少しずつコマチ家具でアンティーク家具を買い足していきましたが、あるとき大きなミラーバックサイドボードにひとめぼれ。「コマチ家具の施工例を見ると、どのお施主さんのお宅もハイレベルな仕上がりなので、田野口さんにお願いすればうちも素敵になると信頼していましたし、このミラーバックサイドボードを置くためには和室を洋室にしなければならなかったので、リフォーム依頼を決心しました」。そのリフォームの様子は「実録・デザインリフォーム体験記」というブログでつづっていただき大好評。できあがった住まいは、「家族の理解を得ることや資金計画など、いろいろなことを乗り越えてでも、がんばった価値がある空間です」とYさん。住まいの隅々まで洗練された、高級ホテルのような極上なインテリアになりました。


「玄関を入ったらリビングまで一直線ではなく、玄関が横入りの間取りだったのもこのマンションに決めた理由の1つ」とYさん。比較的ゆとりのあるホールを、内装や照明で一新させました。さらに、梁や作り付け収納で圧迫感があった廊下を、アンティークのグラスキャビネットと照明でホテルのコーナーのような雰囲気に。単なる通路ではなく、通るたびにうっとりするような空間になりました。

空間にはゆとりがある、シンプルな内装の玄関でした。
輸入壁紙や木製の腰壁、大理石のたたきや照明などで空間の質を高めた玄関ホール。ホールに面した書斎のドアにアンティークのステンドグラスを入れて、明かりとりにしました。シューズボックスとして置いているのは、アンティークのホールローブ。
梁のある部分の天井が低く、圧迫感があった廊下。
壁面の作り付け収納をはずし、アンティーク家具と照明、ピクチャーフレームでデコレーションした廊下。圧迫感のあった梁さえも、リビングへの期待感をふくらませるためにあえてデザインしたアーチのように見えます。

 11畳の洋室と8畳の和室に分かれていた2つの部屋。和室を残そうかとも思ったそうですが、ひとめぼれしたミラーバックサイドボードが決め手となり、広いワンルームにリフォームすることを決意。明るいリビング・ダイニングが希望だったため、光沢のあるベージュの地に白いエンボス柄のある壁紙を採用し、アンティーク家具が映える上品なインテリアに仕上げました。

以前は、洋室をリビング&ダイニングとして使い、和室にはデスクを置いていました。
2部屋の間の袖壁を取り払い、広々としたリビング・ダイニングに。ダイニング側の掃き出し窓は、内側にステンドグラス入りの引き戸をつけ、採光を確保すると同時にテーブルの背景として美しいウインドートリートメントに。
以前はパソコン作業をするデスクを置いていた和室。
右側に置かれた家具が、ひとめぼれしたというマホガニー材のミラーバックサイドボード。幅210.5㎝、奥行き76㎝、高さ208㎝という大型家具で、上台と下台に分けてもエレベーターにのらず、階段で運び入れたという逸話も。この家具が置ける壁が家の中にここしかなかったため、洋室にリフォームすることを決意したそう。
和室には1間の押し入れがありました。
押し入れを撤去し、大型テレビを置くスペースに。背の高いメイプル社のガラスキャビネットやアクセントになるパープルのカウチ、ブラケットランプやエンジェルのペンダントランプなど、素敵な要素を増やして無機質なテレビが主役にならないように。
ダイニングの北側にあるカーテンの奥はキッチン。
そのカーテンのバランスは、アンティーク家具の彫刻に見られる柄をキルティングしたオリジナルデザイン。
ダイニングの掃き出し窓のウインドートリートメントをステンドグラス入りの引き戸にしたのは、ここに素敵なデスクコーナーを設けるため。書類をたっぷり収納できるホールローブも近くに配置し、パソコン作業をしたり本を読んだりと、ご主人もお気に入りのスペースに。


梁が多く窓の高さも十分ではなかった寝室。高さを感じさせるストライプの輸入壁紙を張り、壁の一部を隣室の納戸のほうへ押し出して、チェストを置けるスペースを作りました。美しいマホガニー材のアンティークヘッドボードを主役にした、落ち着いたベッドルームに仕上がりました。

梁の凹凸でコーディネートがむずかしい部屋でした。
シルバー・ブラウンのストライプ柄の壁紙と、カーテン&ベッドカバーをおそろいのダマスク模様のファブリックでつくった寝室。梁が深く、天井からカーテンを下げられなかったので、上飾りを浅めにしてバランスをとりました。
マホガニー材でできた美しいアンティークのヘッドボード。セットで出てくることがめずらしいこのヘッドボードが映えるように、ダウンライトとフレームでシンプルなベッドヘッドのデザインに。

ベッドの足元は人がようやく1人通れるくらいの幅しかありませんでした。
納戸兼書斎である隣室のほうに壁を移動させ、チェストを置けるスペースを作りました。壁を斜めにすることで動線もスムーズに。
作り付けのクローゼットと出入り口のドアを、さらに使いやすく、美しくリフォームすることにしました。
クローゼットをウォークインクローゼットにし、出入口のドアも斜めに配置。廊下~リビングが美しいシーンとして寝室から見えると同時に、動線もよくなりました。
ウォークインクローゼットの入り口はカーテンに。上飾りは、シャーリングのようなオリジナルデザイン。
納戸として使っていた、北向きの部屋。
納戸だけでなく、作り付けの家具をプラスして書斎としても使えるようにリフォームしました。小さくても集中できるスペースに。