デザインリフォーム実例11

撮影/森安 照

家族構成夫婦
延床面積97.5㎡(29.5坪)
住居形態一戸建て
住居購入年1976年
初回リフォーム時築年数築6年(コマチ家具のリフォーム時は築36年)
リフォーム部分玄関、廊下、リビング、ダイニング、トイレ
施工長瀬工務店G.C.

 Fさんのお宅は1970年代に買った庭付きの建売住宅。子育てを終え夫婦で暮らすようになったため、奥様はインテリアを充実させたいと考えたそうです。アンティーク好きなご友人からコマチ家具を紹介され、10年ほど前から少しずつアンティーク家具を買い足してきました。しかし、窓が多いリビング・ダイニングは、庭に面して開放的な一方で、家具を置く壁が少ないためインテリアコーディネートがむずかしいという面も。セミクローズドのキッチンからは、ダイニングルームに冷蔵庫がはみ出してしまっていました。「これからの自分の人生のために、満足いく部屋で暮らしたい」という思いがつのり、コマチ家具に1階部分のリフォームを依頼することに。家具をたくさん置けない分、幅木やケーシングなどの木の部材を増やすことで空間の質を高め、もともとあった飾り梁を活かしながら、庭のグリーンとの相乗効果で“洗練されたコテージスタイル”のインテリアに変身。ご主人のコレクションである世界各国のお面も博物館のように整然とディスプレイされ、別荘に来たようなゆったりとリラックスできる上質な空間になりました。

落ち着いた雰囲気の玄関と廊下は、家具と照明、絵や鏡などのフレームとステンドグラスでブラッシュアップ。コンパクトなスペースなだけに、壁面と照明をおしゃれにすることで素敵な空間になりました。

玄関ホールの窓はウインドートリートメントがむずかしい窓でした。
窓にステンドグラスの内窓をつけることで、自然光をとりこみながら、見ていても美しい窓に。壁には迫力のあるピクチャーフレームを。

以前は、玄関ホールの照明は天井のシャンデリアのみでした。
玄関にミラーをかけ、その上にはブラケットランプを。照明を足すことで夜もあたたかみのあるインテリアになり、みだしなみのチェックにも便利です。
靴箱のかわりに、アンティークのホールローブを置いて。たっぷりと収納できるうえ、美しい細工が施された家具は、空間の質を高めてくれます。
建売住宅によくある廊下とリビングドア。
家具を置けない廊下は、輸入壁紙と照明、建具で素敵に。リビングドアをステンドグラス入りのものに変え、壁にブラケットランプをプラスしたことで、陰影のあるドラマティックな空間になりました。
玄関ホールの壁にあったアンティークのハンガーを、廊下につけて空間のアクセントに。



和室だったところを以前に一度、洋室にリフォームした部屋。コンパクトな部屋なので、ソファなどでゆったりくつろげる居場所を確保するほかは、家具を最小限に抑えてのコーディネート。そのぶん、カーテンや照明などでボリューム感を出し、大型テレビが部屋の主役にならないように仕上げました。さらに、ご主人のコレクションである各国のお面を、素敵にディスプレイするための棚をオーダーメイド。好きなものに囲まれた、居心地のいいリビングになりました。

素朴なコテージ風のリビング。出窓からは庭の緑がのぞめます。
この壁にもブラケットランプをとりつけ、部屋を立体的に演出すると同時に、美しいミラーが映えるインテリアに。

窓辺に置いた革の一人掛けソファは、ご主人の特等席。夜はお気に入りのコレクションをながめたりテレビを見たりしながら、リラックスして過ごしているそう。
 

ウインドートリートメントにボリュームを持たせたので、その両脇にはピクチャーフレームではなく、カーテンに負けないくらいボリュームのあるブラケットランプをコーディネート。カーテンを濃い色にしたので縦長のラインが強調され、空間がのびやかな印象に。
コマチ家具で買ったカウチやミラーでコーディネートしていたコーナー。
この壁にもブラケットランプをとりつけ、部屋を立体的に演出すると同時に、美しいミラーが映えるインテリアに。
大型テレビが目立ってしまっていた以前のリビング。
カーテンや照明など、素敵な要素のボリュームを増やしたことで、テレビの存在感が薄くなり部屋に馴染みました。奥様は、ダイニングに座って眺めるリビングのこのシーンがお気に入りだとか。
ご主人のコレクションである世界各国のお面。全部で23個もあり、壁面にぎっしり並べられていました。
壁面に飾る量を減らし、1つ1つのお面が引き立つようにディスプレイ。布のクロスを張った壁面にかけられライトアップもされて、まるで博物館の展示のようです。そのために、お面のサイズを1つずつすべて測り、ベストの並び順を考えました。さらに……
インテリアデザイナーの田野口淳子がお面を両面につけて回転させられる家具を考案。これにより、すべてのコレクションをしまい込むことなく、時々回転させながら楽しむことができるようになりました。

天井の飾り梁と庭の借景のコンビネーションがもっとも強調されるダイニングルーム。これらをこの住まいの個性として活かすように、デザインリフォームすることになりました。梁はアンティーク家具と合わせやすいダークブラウンに塗装し、天井の印象ばかりが重く感じないように幅木やケーシングなどの木部もボリュームアップ。キッチンが見えないように壁を延長させて新設し、はみ出していた冷蔵庫もキッチンスペースに収まるようにしました。

梁の存在が活かしきれていなかった以前のダイニングルーム。
リビングからダイニングを見て。梁の色をアンティーク家具に合わせ、その他の木部もボリュームをあげて空間の質を高めました。庭に面した大きな窓はたっぷりとしたドレープカーテンをつけたので、もう一方の腰高窓はシンプルなステンドグラスですっきりとフラットに仕上げました。
ダイニングの大きな窓からは、四季折々の庭の表情を楽しめます。
窓にはバランス&カーテンをつけて庭の眺めを縁どりし、庭を見るための窓と位置付けてレースカーテンをつけないスタイルに。梁と庭のグリーンを活かすためにインテリアはあえて色味をおさえてコーディネートしました。天井は質感のよい「ルナファーザー」という壁紙に白い塗装を施し、ダークブラウンの梁が映えるようにしました。ガーデンとクラシカルなインテリアの組み合わせが、まるでイギリスのコテージハウスのよう。
以前はキッチンから冷蔵庫がはみ出してしまっていました。
リフォームで壁を延ばし、キッチンスペースに収まるようにしました。天井の梁がリズミカルで個性のあるインテリアになりました。
食器棚の背後には、使っていなかった窓も。
食器棚を置いていた場所は窓をふさぎ、ミラーバックサイドボードを配置。その手前には、朝食やちょっとしたお茶の時間に使う小さなテーブルを置いたコーナーを設けました。
LDKを同時に見たところ。動線と見え方に配慮したゾーニングとしつらえ、シャンデリアやブラケットランプの光の演出によって、暮らしやすく表情豊かな空間に。
キッチンを隠すために新設した壁には、ステンドグラスの引き戸とブラケットランプをつけました。
キッチンからダイニング~庭を見たところ。日常の暮らしのなかに、こんな美しいシーンとの出会いが。


トイレは家具が置けないスペースなので、壁紙・ウインドートリートメント、照明のコーディネートによって、ほかの部屋とはガラリと気分がかわるホテルのようなインテリアにリフォームしました。

清潔感のあるシンプルなトイレでした。
最新の衛生機器との相性を考え、トイレは木部も白にしてシルバー&ホワイトを基調にしたモダンエレガントなスタイルに。ほかの部屋とは違う雰囲気を楽しめる空間になりました。