デザインリフォーム実例13

撮影/森安 照

家族構成本人+母
延床面積104.43㎡(約31.6坪)
住居形態マンション
住居購入年2006年
初回リフォーム時築年数築10年

2006年に、当時築3年だったマンションを購入した、漫画家のさちみりほさん。仕事の参考にとインテリア雑誌をよく見ていたそうですが、あるお宅を見て「こんな素敵な家に暮らしている人が日本にもいるんだ…」と衝撃を受けたとか。それが、コマチ家具の施工例でした。「インテリア誌で、何度も繰り返し見てしまうほど好きだと思うのはコマチ家具の田野口さんがデザインしたインテリアでした」。2010年に初めてお店に行き、そのときからずっと憧れていたそうです。「悩んだ期間は長かったのですが、ついにコマチ家具でアンティーク家具を一式買い、母の介護が始まったのをきっかけにリフォームを依頼することにきめました」。ご高齢のお母さまが暮らしやすく、仕事場も兼ねているので打ち合わせの来客があっても応対しやすく、アシスタントさんたちも働きやすい空間に仕上げるために、場所によって張り分けた壁紙やファブリックで気分が変わるようにデザイン。「介護でちょうど大変なときで打ち合わせも十分にできませんでしたが、思っていた以上の仕上がりでした。日々の暮らしの中で、目に美しいものがとびこんでくると、疲れもふっとやわらぎ、癒されます。まるで少女マンガの世界のようですが、本物感があって落ち着きますね」

さちみりほ
和歌山県出身。漫画家。1989年「日だまりの階段」(小学館『ちゃお』)でデビュー。小学館新人コミック大賞佳作を受賞。代表作に「銀のヴァルキュリアス」「夢やしきへようこそ」「お母ちゃんとおもしゃい東京ぐらし」など。
http://www.sachimin.sakura.ne.jp
 
「皇妃エリザベート」などの人気作品の原画。現在もハーレクインなどで執筆中。
仕事部屋も壁紙を張り替え、シェードや照明でやわらかさをプラスしました。さちみさんの作品にもたびたび登場し、ファンにはおなじみのアシスタント“たなかはん”や、あやかさんも一緒に。

玄関ドアを開けた瞬間に広がる、壁紙と照明で彩られた異空間。リハビリ中のお母さまが自分で往来できるように、廊下に手すりをつけ、玄関ホールには靴を脱ぎ履きするときに座れるチェアを置きました。美しさとユニバーサルデザインを兼ね備えた空間です。

壁はビニールクロス張り、照明はダウンライトの一般的なマンションの玄関ホールと廊下でした。
たたきには大理石、壁には天然木の腰板と輸入壁紙を張り、内装の質と照明のデザイン性を高めることで空気が一変しました。また、靴の収納にはアンティークのワードローブ置き、小ぶりなチェアと木製の手すりでご高齢のお母さまへの配慮も盛り込んで、美しさと暮らしやすさを両立させたデザインに仕上げました。
シンプルですが、幅にゆとりがある廊下。
ゆったりしたスペースを活かし、アンティークのキャビネットやピクチャーフレーム、ブラケット照明などで、ホールのような演出を。廊下の先にあるアンティークステンドグラス入りのリビングドアを開けると、素敵なリビング・ダイニングが広がります。


以前はリビング・ダイニング・キッチンがセミオープンでつながっていました。リフォームではキッチンとLDの間に壁を設け、美しくしつらえたリビング・ダイニングでゆっくりとくつろげるようにしました。東京ベイサイドの夜景が見える大きな窓にはシックなドレープカーテンを、腰高窓にはかわいらしいアンティークステンドグラス入りの内窓をつけました。また、LDに隣接した和室を、「開けたまま見せたくなるベッドルーム」にコーディネートすることで、さらに空間の奥行きが感じられるようになりました。

ゆったりしたリビング・ダイニングに、買いそろえたアンティーク家具を並べていましたが、内装は一般的なマンションと同じでした。
床や壁を張り替え、カーテンで窓を縁どりすることで、アンティーク家具やシャンデリアが映える空間になりました。部屋の入口から対角線のコーナーに、迫力のあるミラーバックサイドボードを配置したことで部屋に見せ場ができました。
以前は腰高窓にレースカーテンをかけていました。
腰高窓にアンティークステンドグラスの内窓をつけ、光が透過するガラスの美しさを楽しめると同時に、家具の背景としてもすっきりとおさまりました。リビングとダイニングは、照明の位置と敷物でさりげなく分けてゾーニングしています。
ソファのサイドテーブルにはボリューム感のあるテーブルランプを配置し、落ち着いたホテルのラウンジのよう。
色柄のあるシアーカーテンが、大人っぽいシックな窓辺を演出。白いレースカーテンよりも、外の景色が鮮明に見えます。

夜になると、窓からは東京湾岸に広がる美しい夜景を一望できます。シャンデリアやテーブルランプ、シアーカーテンの地模様のきらめきも手伝って、よりいっそうゴージャスに。
以前はセミオープンの対面キッチンでした。
キッチンとダイニングの間に壁をつくり、シャンデリアや背景となるビューローブックケースで素敵な空間に。「キッチンを閉じたことで気分よく食事ができますし、キッチンのほうも機能重視で使いやすくなりました」。壁にはめたステンドグラスは引き戸になっているので、開ければキッチンからリビング・ダイニングの様子を見ることができます。
ダイニングに面したゲートつきのステンドグラスドア。
ドアを開けると、ゲート越しに美しいベッドルームが。壁紙の色を合わせながら、雰囲気がかわる柄をコーディネートして。

以前はリビングとふすま戸で仕切られた和室だった部屋を、フローリングの部屋へリフォームしました。ダイニングから見える位置にドアを設けるため、「見えていてもいい、むしろ見せたくなるベッドルーム」になるようにデザイン。さちみさんが「特に気に入っています」という、ロマンティックで大人っぽいベッドルームになりました。

ダイニングから見たベッドルームは、フレームに入った絵のように美しいシーン。「カーテンやベッドヘッドなどに提案される、田野口淳子さんがデザインするドレープがずっと好きでした」とさちみさん。
以前は、障子と畳の和室にベッドを置いていました。
ベッドヘッドのキャノピー風のドレープが、両サイドのブラケット照明からの光を受けてより美しく立体的に見えます。ロマンティックなバラ柄の壁紙も、同系色のシックなベッドファブリックを合わせることで、甘くなりすぎず大人っぽい表情に。内障子があった窓辺は、ステンドグラス入りの引き戸をつけて、すっきりと。
部屋の広さに限りがあるので、ベッドヘッドのドレープがあまり前へ出過ぎないように、それでいてゆったりとした豊かなドレープの美しさを満喫できるようにデザインしました。
出入口に袖壁を少し設け、チェストが置けるスペースをつくりました。そこにブラケット照明をつけ、素敵なドレッシングコーナーに。

同居しているお母さまの部屋と、仕事が忙しいときには泊まっての作業もあるというアシスタントさんのための部屋も、素敵にリフォームしました。各部屋の壁やカーテンのカラーコーディネートに変化を持たせることで、住まいの個性に奥行きが出ました。

ご高齢のお母さまの部屋は、落ち着いたグリーンでコーディネート。照明をシャンデリアにすることで、あたたかみのあるインテリアに仕上がりました。
一般的な洋室の、アシスタントさんのための部屋。寝るときは布団を敷いていました。
壁に張ったのは輸入のビニールクロス。インテリアを魅力的に見せるために、モアレ柄のある落ち着いたレッドを選びました。カーテンも、同じレッドが入った柄でコーディネート。
敷物と家具で素敵なドレッシングコーナーも。右手の扉はウォークインクローゼットです。今までと印象ががらりと変わったインテリアに、アシスタントさんたちからの評判も上々です。

家具などでデコレーションできない水回りは、壁と照明で“異空間”にリフォーム。洗面室は、手前にあった洗濯機置き場を奥に配置しなおし、洗濯物を干せるスペースもつくりました。

壁面にガラスと大理石のモザイクをミックスで張った、ゴージャスな空間。洗面台はコマチ家具のオリジナル造作家具です。
洗面室の奥はランドリーコーナー。室内干しできるスペースも設け、カーテンで目隠しできるようにしました。
トイレは一般的なマンションの仕様で、壁も白いビニールクロスでした。
トイレの背面には、作り付けの壁面収納がありました。
トイレの壁を、腰板と輸入壁紙でイメージチェンジ。廊下の壁紙と関連性を持たせ、同時に見たときにもうっとりするようなデザインに。お母さまのために手すりも付けました。
リフォームで作り付け収納をとり、ブラケットライトをつけて雰囲気よく仕上げました。