デザインリフォーム実例08

撮影/森安 照

家族構成夫婦+子ども1人
延床面積144.08㎡(43.59坪)
住居形態木造一戸建て 5LDK+納戸
住居購入年1997年
初回リフォーム時築年数築11年
リフォーム部分玄関、リビング&ダイニング、洗面室、寝室、書斎
施工長瀬工務店G.C.

 1997年、自然に囲まれた静かな住宅地に、広々とした2×4の注文住宅を建てたKさんご一家。当時、奥様はカントリースタイルのインテリアが好みで、南欧風の家具やファブリックで揃えていたそうです。ところがその後、テレビでアンティークのあるインテリアを見て「本当に好きなのはこの世界だ」と気づき、雑誌で知った「コマチ家具」へさっそく相談に。最初からリフォームをしたかったそうですが、家を建てたばかりで予算の制約もあり、「リフォームしても置く家具がなければ素敵な部屋はできません。リフォームはいつでもできるけれど、アンティーク家具は1点もの。いい家具が出たときに買っておき、家具がそろったらリフォームしましょう」とインテリアデザイナーの田野口淳子がアドバイスし、まずは家具を揃えていくことに。「家具を買い揃えるたびに部屋がよくなっていくので、次への期待感がとても大きかったです」とKさん。その数年後、満を持してLDKをリフォーム。その後も玄関や2階の居室の壁をペイントしたり、壁紙やカーテンを替えたりして、2009年には懸案だった洗面室もリフォームしました。その結果、アーツ&クラフツのテイストを取り入れた上質なインテリアに。「田野口さんが最終形を考えながらプランしてくれたので確実でした」とKさん。「少しずつがんばってきてよかった」と思える、理想の住まいになりました。

玄関ホールは、壁をニュアンスのあるグリーンにペイントし、照明と家具をアンティークにし、ウィンドウトリートメントとしてウッドブラインドをつけました。大きなリフォームはしていませんが、壁の色を変えるだけでもおしゃれな雰囲気になり、温かみのある玄関ホールになりました。

一般的な白いビニールクロス張りの壁の、シンプルな玄関ホールでした。
アンティーク照明からもれるやわらかい光が出迎えてくれる落ち着いた玄関。壁は既存のクロスにペイントしました。

14畳もある広々としたリビング・ダイニングですが、リフォーム前、奥様が一番気になっていたのが、ハッチから見えてしまうキッチン。さらに、窓が2面にあって明るいのはいいのですが、壁が少なく家具を置く場所が少ないのも悩みでした。リフォームでは、セミオープンだったキッチンをクローズドキッチンに変え、ダイニングとリビングの家具の配置をチェンジ。それにより、ゆったりとくつろげるスペースも生まれました。

リフォーム前はダイニングとキッチンの間のハッチからキッチンが丸見えで、インテリアのスタイルと合いませんでした。壁紙も白いビニールクロス張りです。
大きなアンティーク家具のミラーバックサイドボードを見せ場に、手前にダイニング、奥にリビングを配置しました。それぞれのコーナーは、ペルシャ絨毯でゾーニング。「コマチ家具にコーディネートしてもらって、絨毯や照明の大切さがわかりました。絨毯でコーナーが分けられるし、床に描いた絵のようですよね」とKさん。リフォームしなかった合板の床もうまく馴染んで。

コマチ家具で買ったソファとコーナーキャビネットを置いた、リフォーム前のリビング。
壁は輸入の紙壁紙を張り、内装、家具、照明、ウィンドウトリートメントの相乗効果で美しいインテリアに。セミオープンだったキッチンを壁で仕切ったことにより、くつろげるリビングができました。
以前、ハッチがあいていたキッチンとの間の壁には、ステンドグラス入りの引き戸を設けました。キッチンの明かりとりになると同時に、キッチンからリビング・ダイニングにあるテレビを見たり、リビングにいる人と会話したりすることもできます。
セミオープンだったキッチンが、リビングからも丸見えでした。
壁を作ってクローズドキッチンにし、さらにキッチンから洗面室へ抜ける通路の出入口は木のフレームで囲い、カーテンをつけて開閉できるようにしました。
奥の部屋がリビングルーム。引き戸で仕切って個室にできる間取りでした。
同じくダイニングからリビングを見て。引き戸を取り、その開口に木製の枠をつけてリビングを美しいシーンとして切り取っています。手前のダイニングルームと奥のリビングルームの重なりが美しく、プレゼントのソファも絵になっています。
広いリビング・ダイニングで、唯一、大きな家具が置ける壁に、オーク材のミラーバックサイドボードを。部屋の見せ場になるうえ、たっぷり収納もできます。Kさんは、インテリアの雰囲気に合わないFAX機をこの家具の下部に収納しています。
LDからキッチンを抜けて洗面室へ抜けられる間取りになっているKさんのお宅。LDから開口枠越しに見える洗面室が美しく、「カーテンはいつも開けたままです。以前は見せたくなかった場所が、いまは見せたい、見ていたい場所になりました」とKさん。
ダイニングから見た出窓。ダイニングテーブルを部屋に対して斜めに配置することで、動線がスムーズになりました。
ダイニングのコーナーにはオーク材のアンティークライティングビューローを。テーブルまわりのリネン類や薬など、こまごまとしたものを収納しています。
リビング・ダイニングから、隣接する和室を見て。和室はリフォームしていませんが、開口部に木製フレームをつけ、洋室と違和感なくつながるようにコーディネートしました。ふすまをを取りはずしているので、和室を広々とした第二のリビングとして利用できます。


主寝室のリフォームは、壁のペイントとウィンドウトリートメントだけ。コストを抑えながら、最大限に美しくコーディネートするために、まず、予算内の価格帯から一番気に入った柄のカーテン&ベッドカバー用のファブリックを選び、次にその柄の中の1色から壁のペイントの色を選びました。「ペイントはカラーバリエーションが豊富で、微妙な色も見つけやすいのですが、気に入ったファブリックは見つけるのが難しいのです」とインテリアデザイナー。


白いビニールクロス壁の、シンプルな寝室。すでに、コマチ家具でアンティーク家具を揃えた状態です。
壁をテラコッタオレンジにペイントしただけで、同じ家具が別もののように映えて見えます。
こちらも、アンティーク家具を買い揃えた状態。9畳ある寝室には、ベッド2台のほかにキャビネットやベンチも置けました。
壁をペイントしただけのリフォームですが、ウィンドウトリートメントと家具のコーディネートで、まるで外国のコテージのようなインテリアになりました。
西側の窓は、カーテンとウッドブラインドを合わせたコーディネート。カーテンの裏地の色にもこだわりました。窓の外には自然が広がり、日本にいることを忘れてしまいそう。

お嬢様の部屋は、上品で大人っぽいイエローをベースにしたカラースキーム。窓が東と南の2面にあり、家具の配置がむずかしい部屋でした。そこで、南面のカーテンを、ベッドヘッドをデコレーションするバックカーテンに見立ててコーディネートすることに。ベッドがしっくりおさまり、部屋の見せ場もできました。


2面開口で明るいのですが、ベッドの上に窓があるのは外気温の影響を受けやすく、朝日によって安眠を妨げられるので、あまりいい配置ではありませんでした。
ベッドヘッドをバックカーテンで閉じた結果、部屋の見せ場がわかりやすくなり、めりはりのあるインテリアに。カーテンでボリュームを出したので、もう一方の窓はフラットな仕上がりのウッドブラインドにしました。
ベッドの脇には、ベッドサイドテーブルではなく、小ぶりなデスクをしつらえて。あたたかみのあるランプが、ベッドサイドの照明としての役割も果たします。
バックカーテンがエレガントなベッドヘッドのコーディネート。カーテンは開閉できるので、換気もできます。
買い揃えたアンティーク家具が置かれていたリフォーム前の寝室。
リフォームで壁を落ち着いたイエローにペイントし、ベッドヘッドをしつらえたことで、アンティーク家具が活きるインテリアに。オーク材のホールローブとキャビネットは収納力も十分。
アンティークのシャンデリアがかわいらしい。7畳の部屋ですが、ベッドのほかに、チェストやキャビネット、デスクなど、家具が5つも置けました。
お嬢様も古いものがお好きで、ご自分のコレクションをアンティークのブックケースに飾っています。


ご主人が本を読んだり勉強をしたりするための書斎。小さな部屋ですが、壁をペイントし、家具をしつらえて落ち着けるミニライブラリーにしました。

グリーンを基調色にトラディショナルな雰囲気に仕上げたインテリア。窓にはすっきりとしたウッドブラインド、椅子はあえて機能的でモダンな椅子を合わせ、男性的な雰囲気に仕上げています。

来客も使うことがある洗面所を、ずっと素敵にしたいと思っていたというKさん。とくに、洗濯物が多いというKさんの家では、暑さ寒さの厳しい季節、長時間かかる洗濯物を干す作業を、洗濯機の脇でできるのが理想でした。そんな機能性とホテルのパウダールームのような素敵なインテリアを、リフォームで両立させることに成功しました。

窓が単なる明かりとりとしてある、一般的な洗面室でした。窓の前には洗濯機。洗面台は暗いところに位置していました。
洗濯機と洗面台の場所を入れ替え、洗濯機はカーテンで目隠しました。洗面キャビネットはコマチ家具の造作家具。単なる明かりとりだった窓は、アンティークステンドグラスを入れることにより、見ていてうっとりする窓に変身。

輸入洗面ボウルと水栓金具、アンティークステンドグラスが美しい洗面台。「友人が来たとき、わぁーと声を上げて、別荘みたいだね、って言ってくれました」

洗面室を入口から見たところ。奥のカーテンはお風呂の出入口、手前のカーテンは洗濯機置き場。天井付近の梁に付けた真ちゅうのポールは、洗濯物を一時的に掛けるためのもの。天井に乾燥機をつけたので、雨の日はこのポールに洗濯物を干し、乾燥室として使います。
洗面室の奥から見たところ。真ちゅうのポールを付けている梁は、部屋の開口枠に使っている部材。手が届く高さにポールをつけるための調整と、空間の美しさを両立させるための工夫です。