インテリアコーディネート実例02

撮影/森安 照

家族構成本人
住居形態賃貸アパート(2LDK)
コーディネート箇所L.D.K.、和室
入居年2010年

 ご実家の建て替えを機に、自分の部屋について真剣に考え始めたというKさん。「それまでは子ども部屋の延長だったので、30代の大人の女性の部屋をつくりたいと思いました」。インテリア雑誌を見ているうちに、アンティーク家具に惹かれる自分に気が付き、雑誌で見つけたコマチ家具でアンティークのベッドヘッドボードを購入したのが最初でした。経て替えたご実家の自室は、コマチ家具で壁紙やカーテンもコーディネートしましたが、仕事の都合で実家から独立することになり、アパートを借りて一人暮らしをスタート。新たにテーブルや収納家具を購入し、コマチ家具でインテリアコーディネートも依頼しました。「アパートだから内装は変えられませんが、家具、照明、絵、ファブリックで部屋は素敵にできます。賃貸などで引っ越す可能性がある場合は特に、間取りが変わっても使いやすい家具を選ぶのがポイントです」とインテリアデザイナーの田野口淳子。「部屋の中に居場所と動線がきちんと作られているので、自然な動きができるんです。この部屋は引っ越して家具を配置してもらったときから暮らしやすかったです」とKさん。アパートの一室が、今、ここに居られることが幸せだと感じられる部屋になりました。



9畳のオープンなL.D.K.を、キッチンコーナー、ダイニングコーナー、リビングコーナーに分けるために、敷物や家具の高さ、明かりの位置で空間をゾーン分けしました。決して広いスペースではありませんが、ソファに座ったとき、ダイニングチェアに座ったときに目がいく場所をコントロールし、気分が変わるよう工夫しています。

L.D.K.のドアを開けたときに見えるシーン。実は、すぐ右手にI形のキッチンがあるのですが、素敵な家具があるほうへ思わず目がいくので、キッチンが目に入りません。
仕事から帰ってきて家でくつろぐ時間、「居心地のいい気が流れているような感じがします。この部屋の空気感が好き」とKさん。背の高いアンティークのホールローブという家具で、ダイニングコーナーとリビングコーナーをさりげなく分けています。
ダイニングコーナーから、寝室にした和室を見て。家具や照明など、インテリアコーディネートの重要性がわかります。アンティーク家具や照明は、住まいが変わってもずっと使い続けられるので、こつこつと好きなものを集める楽しみも。


L.D.K.に続く6畳の和室を、ベッドルームに。リビングから見えたときにも素敵なコーディネートになるよう、絵や照明で工夫しました。セミダブルのベッドと、コーナーホールローブ、ドレッサーをゆったりと置けました。

カーテンは、天井のすぐ下にバランスをつけることで、高さを感じさせる効果があります。アパートの和室が、ホテルのような空間に。
リビングのソファに座ったときに見える寝室。Kさんが初めて買ったアンティークのヘッドボードが部屋を彩ります。ベッドカバーをさっとかければ、いつも美しいまま。
資格試験の勉強も、お化粧もできる、デスクとドレッサーを兼ねた家具。夜はアンティークのデスクランプをつけて、リラックスした時間を過ごします。